「アンチエイジング」とは日本語で言えば「抗老化」「抗加齢」。
「アンチ」という響きの印象から「不老不死」をイメージされる方も少なくありません。
「アンチエイジング」は「時計の針を止めること」ではなく、「針を少し戻して、その進みを遅らせること」
例えば、肌の若返りは、スキンケアや医学的治療により、外部から皮膚そのものをケアすることであり、「針自体を逆戻りさせる」ことに当たります。
そして、普段の生活における、食や睡眠、運動、美容などの質の向上も、実は、アンチエイジングに欠かせない重要な要因なのです。
エイジング曲線を緩やかにするために
本来のアンチエイジングが目指すものは、人の成長が止まった後、見た目の老化現象とともに急激に落ちていく体のエイジング曲線の角度を少しでもゆるくしていこうというものです。
60歳で到達してしまうと言われる体の劣化を70歳、80歳まで引き延ばすことができれば、「老化」のスピードを抑えたことになるわけです。逆からみると、80歳なっても60歳程度の劣化にとどまっていることは、20歳も若さを保っているということです
老化を緩やかにするための治療
1.医療
●アンチェイジングドック
100歳過ぎても元気に若々しく過ごしている人がいる一方で、60代、70代で介護が必要な状況の人がいます。老化のしかたや、老化へと向かう速度は、人によって異なるからなのです。
老化の兆候や老化へと向かう危険因子をいち早く見つけるための検査です。
●更年期障害
更年期は、まさに性成熟期から生殖不能期への移行期(45~55歳)にあたり、平均51歳で訪れる閉経以降の30年余の生活をいかに健康に過ごすかを考える、人生の節目。この時期、自律神経失調症状と精神症状が相互に関係しあって起こる、不定愁訴その総称と考えられます。
自律神経性更年期障害は、ホルモン補充療法により約1カ月で症状の改善をみることができます。
●キレーション
点滴や内服によって体内にキレート剤を投与することで、血管に沈着したカルシウムを除去する治療です。強い抗酸化作用や抗炎症作用により抗加齢効果が期待できます。
●ホルモン補充療法(HPT)
急激なエストロゲンの減少に対して、必要最小限のホルモンを補充してやることで、その変化の幅をゆるやかなものにしてやり、スムーズに閉経したあとのホルモン環境に身体を適合させていく手助けをしてあげる治療方法です。
●デトックス
知らず知らずのうちに、体にためこんでしまった有害物質や毒素を解毒・排出し、それぞれの体が本来持つ力を取り戻し、身体の機能が正常になり、新陳代謝も上げることで、健康な体や美しい肌を取り戻す療法です。
●口腔
成人が歯を失う第一原因である歯周病の治療。歯周病の一般的な診断・治療に加え、新しい歯周組織再生療法の開発などを行います。
●再生医療
本人の、神経や骨などを人工的に作り、組織や臓器を修復する治療法。欧米や日本のグループが相次いで、両細胞から皮膚や神経、血管などを作ることに成功した。また、従来の技術による培養皮膚や血管、心筋などの再生も、実用レベルに達している。骨髄幹細胞から血管や皮膚の再生、人工材料を組み合わせた再生血管移植手術などの臨床応用も始まっています。
2.食生活
●腸内環境
腸内環境をよい状態に保つためには、上記の食品の他に発酵食や機能性食品、オリゴ糖などを摂取することをおすすめします。
発酵食品の摂取
ヨーグルト、乳酸菌飲料、チーズなどの乳酸菌やビフィズス菌を含む食品を摂取することで、腸内の善玉菌の増殖に期待できます。しかし、ほとんどの善玉菌は腸にとどまることができないため、毎日摂取を続けることが大切です。
オリゴ糖を含む食品の摂取
オリゴ糖を含む食品を積極的に摂取することで、腸内にもともと存在する善玉菌の栄養分となって、増殖を促進します。オリゴ糖を含む食品には、たまねぎ、大豆、ねぎなどがあります。また、特定保健用食品にオリゴ糖を含むものもあり、食事とあわせて上手に活用しましょう。
腸内環境を改善するメリット
腸内環境が改善されることによって、以下のような健康効果に期待できます。
- 免疫力の強化
- インフルエンザなどの感染予防
- 必須ビタミンを合成
- 疲労感を減少
- 体臭を軽減
- 便秘を改善
- 肥満の防止
- がんリスクが低減
●サプリメント
- 免疫力の強化
- インフルエンザなどの感染予防
- 必須ビタミンを合成
- 疲労感を減少
- 体臭を軽減
- 便秘を改善
- 肥満の防止
●糖化防止
老化を促進する要因として注目されている「糖化」。活性酸素による酸化が「体のサビ」と言われるのに対して、糖化は「体のコゲ」とも呼ばれています。
糖化を防ぐ香辛料
香辛料ではシナモン、クミン、黒胡椒、バジルが糖化を阻害します。
糖化を防ぐフルーツたち
果物ではリンゴが抗糖化作用、抗酸化作用の両方の効果があり、ビタミンも豊富です。果糖が含まれますが、食物繊維と一緒に摂るので、血糖値の上昇は緩やかです。
糖化を防ぐお茶
お茶に含まれるカテキンには、炭水化物や糖をブドウ糖に分解する消化酵素の働きや、AGESの生成を阻害する作用があリます。
しかもビタミンCやE以上の抗酸化力があり、AGESで傷ついたコラーゲンの修復作用もあります。
●酸化防止
体のサビ酸化を防ぐ食べ物
赤色の食べ物=トマト、イチゴ、スイカ
黄色の食べ物=レモン、かぼちゃ、みかん
紫色の食べ物=ブルーベリー、ナス、紫キャベツ
緑色の食べ物=ピーマン、パセリ、ニラ、ほうれん草など
3.睡眠
●睡眠時間
人の睡眠は一日大体8時間、つまり一生の1/3は眠って過ごします。
現代では、何をするにも時間が足りません。睡眠時間を減らせば、その分勉強したり、働いたり、遊んだり、自由な時間が増やせる。と、誰もが睡眠時間を短くしたいと思いがちです。でも、ちょっと待って下さい。 短すぎる睡眠時間は、あなたの人生そのものを短くしてしまうリスクがあります。
●睡眠の質向上
- 就寝時間を一定にする
- 全身の血行を改善する
- 朝起きて最初にやることを決めておく
- すっきり起きるタイミング
- 太陽の光を浴びる
- ウォーキングする
- ブルーライトを避ける
4.運動
●有酸素運動
脂肪や糖質を酸素によってエネルギーに変えながら行う、規則的な繰り返しのある比較的軽い運動。ジョギング・ウオーキング・水泳・エアロビクスダンスなど。
●筋力トレーニング
筋トレをすることによって得ることができる効果として真っ先に思い浮かぶのがダイエットでしょう。しかし、筋トレにはほかにもいろいろな効果があるといわれています。それがしわやたるみに対する効果です。
また、筋トレをすることによって、代謝の力もアップしますから、この効果によっても、顔のしわやたるみを解消することができるのではないかとみられているのです。
5.美容
●シミ・シワ・たるみ
肌老化によるシミは老人性色素斑とも呼ばれ、20代からあらわれることもあります。紫外線が原因で放置すると大きくなることも。できてしまったシミには、メラニン還元作用があるビタミンC誘導体が配合されている化粧品が効果的です。予防には、メラニン生成抑制作用をもつトラネキサム酸、アルブチン、コウジ酸などの成分が有効です。また、レーザー治療などでシミの改善を行うことも可能です。
●乾燥肌
乾燥肌(ドライスキン)は、皮脂分泌量の低下、角質細胞間脂質や天然保湿因子などの減少により角質の水分含有量が低下している状態です。皮膚の水分は、発汗、不感蒸泄(ふかんじょうせつ:皮膚または呼気から蒸気として自然に失われる水分)で減少し、体の内側または大気中の水分により供給されます。
お肌が乾燥気味で皮脂の分泌が少ない方は、朝は水またはぬるま湯ですすぐ程度にするのがよいでしょう。
●美肌・保湿
健康な肌(美肌)の場合、肌の角質には20~30%の水分が含まれています。この水分が20%を切ると肌は乾燥している状態になります。この角質の水分を保ち、肌から水分がなくならないようにするのが保湿ケアです。
●抗酸化
体の中に活性酸素が増えると、細胞が酸化します。活性酸素は、体内に入った有害物質から細胞を守る働きをするのですが、過剰に発生すると細胞を傷つけ、老化の原因となるのです。
活性酸素発生の原因を避けて、野菜やサプリメントで活性酸素を取り除きましょう。
- □フィトケミカル
- リコピン:トマト、すいか、さくらんぼなど
- ポリフェノール:カカオ、赤ワイン、ブルーベリーなど
- イソフラボン:大豆、豆乳、豆腐など
- ペクチン:りんご、みかん、あんずなど
- □ビタミン類
- β-カロテン(ビタミンA):緑黄色野菜(かぼちゃ、ほうれん草、ニンジンなど)
- ビタミンC:じゃがいも、いちご、レモン、キウイフルーツなど
- ビタミンE:ナッツ類、アボカド、ブロッコリーなど
- □ミネラル類
- 亜鉛:牡蠣、小麦胚芽、レバーなど
- セレン:大豆、玉ねぎ、魚介類など
●ダイエット
新陳代謝(古い細胞から新しい細胞へと入れ代わること)のサイクルが遅くなると、古い細胞が増えてきます。古い細胞には、脂肪を十分に燃やす力がありません。ですから同じ運動をしたとしても、脂肪の燃焼効率が低いため、ダイエットの効果が出にくくなるのです。また新陳代謝が悪くなると体温が低下するため、消費カロリーも減少します。
アンチエイジングに取り組むことで、新陳代謝が促進され、ダイエットの効果が上がることはもちろん、肌が美しくなり、免疫力もついてきます。
●ヘアケア
髪の毛はダメージが積もると「エイジングサイン」が現れます。
このエイジングサインが、出始めたら早急に対処をすることが大切です。
具体的なエイジングサインは、下記のようになっています。
-
- まとまりがわるくパサつく
- 薄毛の箇所が目立つようになってきた
- ボリュームがでなくなっている
- 髪の毛のツヤがでなくなっている
- 髪の毛がうねりだしてウェーブが強くなる
- 白髪が増えたり抜け毛が増える
このような症状が、髪に現れる「危険サイン」なのです。
放置しておくことでどんどん髪の毛が痛み、深刻な薄毛問題、
頭皮トラブルを発症する恐れがあるので注意しておきましょう。
6.予防(未病)
●生活習慣病
アンチエイジングが必要なのは、肌や髪といった見える部分にだけではありません。
むしろ血管や内臓、筋肉、骨、神経、ホルモンといった体内の器官や機能の老化のほうが、ずっと問題だといえるでしょう。それは、高血圧や糖尿病、高脂血症、がん、骨粗しょう症など多くの生活習慣病に直結するものだからです。
老化はだれの身にも起こることで、それを止めることはできません。しかし老化の速度は、人によってかなりの違いがあります。生活習慣病にしても、かかりやすい人とそうでない人がいます。そうした違いが生じる要因として、「ホルモンの減少」と「活性酸素の増加」の2つが注目されています。
7.頭脳
●ボケ防止
脳には、運動系・感覚系・思考系など色々な機能がありますが、
40代以降になって成長する部分もあるんですって!
- 大切なのは、脳に刺激を与えること
- 運動する
- 自分の身の回りのことは自分でする
- 人と交流してよくしゃべる
- 頭を使う
ネガティブにものを考えたり、否定的な言葉を聞くと脳は思考停止して成長しないそうです。
何でも前向きでプラス思考で考えることが大切です。
また、過去の事を考えるよりも未来の事を考える方が脳にはいいようです。
オシャレでもダイエットでも何でもいいから目標を持ってチャレンジするのが脳のためにもよさそうです。
あとは基本中の基本!規則正しい生活をすることです。
8.心
●ストレス
ストレスによる疲れでホルモン分泌が乱れると老化します。
「検査しても悪いところがないのに疲れやすい」、「朝の目覚めが悪く、カフェインや刺激物がないとシャキッとしない」という人は、疲れやストレスが限界を超えて、ホルモン分泌の重要拠点の副腎が悲鳴をあげている「副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)」「ホルモン疲労」かもしれません。ストレスを軽減するには、下記のような社会・人との交流を深めたり、趣味(カルチャー教室など)を生きがいとした生活習慣が望ましいです。
●社会・人との交流
同世代の交流を広めながらみんなでアンチエイジング!
年齢・性別・職業関係なく誰でも気軽に集える大人の社交場として食事会を中心にボーリング・カラオケ・ゴルフ・テニスなど様々な交流会に参加するのも心のアンチエイジング効果が期待できます。
飲んで食べてたっくさん笑って!おしゃべりに興じたり!気持ちよい汗を流したり!恋をしたり!オシャレを楽しんだり、心のアンチエイジングで心の若さを取りもどしましょう。
維持治療サプリメント
療法の併用検 査検 査キレーション療法とは、点滴や内服によって体内にキレート剤を投与することで、血管に沈着したカルシウムを除去する治療です。強い抗酸化作用や抗炎症作用により抗加齢効果が期待できます。